Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうかんいちご
偶感一語
宮本 百合子
Lesen Sie 偶感一語 (ぐうかんいちご) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.683 Zeichen · 10 Bildschirme
私の考えに於て、この点が最も重大なのです。若し自分が真個に愛のあるべき状態に迄達しておれば、かような錯誤は決して起り得べきものではないのです。
愛は、何も、貴方を愛しています、または、愛して、愛して、今も愛していますというような告白や表現を望みはせず、云おうともしないものです。
けれども、執念が、云いたがります。返事をし、自分の眼を見返し、輝く愛を認めて欲しく思い、ひとりでにそう行動します。
そこで、右のような場合は、決して無いものだとは思えないのです。
左様にして、彼を倶に愛すが故に朋友となり、進んで愛人同士のような感情の表現を持つように成った時、自分はそれをいかなる心持を以て反省するでしょうか。
第一、自分の真に愛しているのは、明かに彼なのです。此人ではない。此人は、ただ、倶に語る、という意味で大切な、愛すべき人であったのです。
それ故、たとい、或る瞬間の具体的表現が、此人を愛する場合と、形に於て同様ではあっても、真実の意味で、それは、彼に求めたこと、彼から期待したことであるのです。
人間が、時に、或る一時的なエモーションから、最も愛する者との間にのみ自ら許している種々な動作を、誤っても為し得ると云うことは、恐ろしい、嫌厭以上のことです。