Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ちゅうとう
偸盗
Lesen Sie 偸盗 (ちゅうとう) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.934 Zeichen · 97 Bildschirme
相手の用意に裏をかかれた盗人の群れは、裏門を襲った一隊も、防ぎ矢に射しらまされたのを始めとして、中門を打って出た侍たちに、やはり手痛い逆撃ちをくらわせられた。たかが青侍の腕だてと思い侮っていた先手の何人かも、算を乱しながら、背を見せる――中でも、臆病な猪熊の爺は、たれよりも先に逃げかかったが、どうした拍子か、方角を誤って、太刀をぬきつれた侍たちのただ中へ、はいるともなく、はいってしまった。酒肥りした体格と言い、物々しく鉾をひっさげた様子と言い、ひとかど手なみのすぐれたものと、思われでもしたのであろう。侍たちは、彼を見ると、互いに目くばせをかわしながら、二人三人、鋒をそろえたまま、じりじり前後から、つめよせて来た。
「はやるまいぞ。わしはこの殿の家人じゃ。」
猪熊の爺は、苦しまぎれにあわただしくこう叫んだ。
「うそをつけ。――おのれにたばかれるような阿呆と思うか。――往生ぎわの悪いおやじじゃ。」
侍たちは、口々にののしりながら、早くも太刀を打ちかけようとする。もうこうなっては、逃げようとしても逃げられない。猪熊の爺の顔は、とうとう死人のような色になった。