Japanische Klassiker mit Furigana
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にせけいじ
偽刑事
川田 功
Lesen Sie 偽刑事 (にせけいじ) von 川田 功 (かわだいさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.368 Zeichen · 15 Bildschirme
彼は散々に罵倒を浴せられては謝罪を繰返して居た。大罪人である事が今ははっきり自分に判って来た。罰せられるであろうと云う事も朦気乍ら判って来た。夫れは諦めなければならないものであった。
「オイッ、一寸待てッ」
巡査の声で彼は大きな恐怖の鉄槌に打たれた。一瞬間の後巡査の顔を見た。巡査は全く外の方を見て居った。其眼の先を追った時、其処には中年の、召使とでも云った様な女が途の脇を小さくなって歩いて居た。
「ハイッ」其女は電気にでも打たれた様に立ち止った。
「此方へ来いッ」巡査は云った。
此処に二人を取調べて居乍ら、巡査の心持には余裕があるのに驚かされた。
「私は何も知りません」中年の女は体を横に撚じって胸の辺りを隠す様にして行き過ぎようとした。
「待たんかッ」巡査の声は鋭くなった。
「此隙に!」彼の心には逃走の意志が閃いた。が、次の瞬間に彼は住所を知らした事を思い出した。
中年の女はずるそうな眼をし乍ら近寄って来た。巡査は其方へ向き直った。
「お前は此万引した女から半襟を受取って持って居るだろう。お前達は此先の停留場で落ち合う約束だったろう。所が此女が余り遅いので様子を見に来たに相違ない。