Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
びぜんてんいちぼう
備前天一坊
江見 水蔭
Lesen Sie 備前天一坊 (びぜんてんいちぼう) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.511 Zeichen · 25 Bildschirme
おぬしにだけなら話しても好かろう。これ、びっくりしてはならぬぞ。隠居所の御客人はアレこそ当国の太守、少将様の御落胤、奥方様御付きの御腰元鶴江というのに御手が付いて、どうやら妊娠と心づき、目立たぬ間にと御暇を賜わった。そこで鶴江殿は産れ故郷の播州姫路に立帰り、そのまま縁付いたのが本多家の御家来小笠原兵右衛門。この人は余程お人好しと見えて、何も知らずに鶴江殿を嫁に貰ったのか、但しは万事心得ていて、それを知らぬ顔でいたのかそこまでは聴かなんだが、何しろそこで産声を挙げられたのが金三郎様じゃ。その後小笠原兵右衛門さんは仔細あって浪人。その伜で届けてある金三郎様も御浪人。大阪表へ出て手習並びに謡曲の師匠。その間に兵右衛門さまは御病死、後は金三郎様が矢張謡曲と手習の師匠、阿母様の鶴江様が琴曲の師匠。その鶴江様が又御病死の前に、重い枕下へ金三郎様をお呼び寄せの上、実はこれこれの次第と箪笥の抽斗深く納ってあった新太郎少将様の御守脇差を取出させて、渡されて、しかし決して名乗り出ては相成ならぬ。君の御迷惑を考えねばならぬと堅く留められていられたのを、旅医者の俊良殿がチョロリと耳に入れて、なんというても御親子は御親子であるで、御記念の脇差を証拠に名乗り出で、御当家に御召抱えあるようにと、その御願いの為にお出向きなされたので、