Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼくはこれからだ
僕はこれからだ
小川 未明
Lesen Sie 僕はこれからだ (ぼくはこれからだ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.555 Zeichen · 17 Bildschirme
「なにをぼんやりしているんだい。達ちゃんは、実を拾わないの。」と、勇蔵は、棒きれを枝に向かって投げつけると、雨のように、白いうぶ毛のある円い実が、ころころと足もとにころげて落ちました。
「炭も、煉炭も、じき、切符制度となって、僕も仕事がなくなるから、工場か、会社へ勤めようと思っているのさ。」と、帰りに勇蔵が、達吉に話しました。
「自分は、田舎にいれば、いまごろ、くわを持って百姓をしているんだが。」と、達吉は考えました。
ある日、伯父さんは、外出の支度をしながら、
「懇意の准尉さんで、陸軍病院に入っていなさるのを、これからみまいにいくのだ。達吉も、いっしょにこないか。」と、いいました。
達吉は、父親が戦死してから、戦争にいった兵隊さんに対して、なんとなくいいしれぬ親しみをもつようになったのでした。
「ひょっとしたら、お父さんのことが聞かれるかもしれない。」と、思ったので、飛び立つように喜びました。
ひでりつづきの後なので、坂道を上ると、土のいきれが顔をあおって、むせ返るように感じました。一面に白く乾いて、歩くとほこりが立ち上りました。伯父さんは、幾たびとなく休み、額からにじむ汗をふきました。