Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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げんろくじゅうさんねん

元禄十三年

林 不忘

Lesen Sie 元禄十三年 (げんろくじゅうさんねん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.586 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

「ほんとに、昨年の御本役、亀井様にお尋ねとは、思いつきでございました。」

「兄貴がああいう性質だから、傍がやきもきして、手落ちのないように盛り立てねばならぬ。お日取りという第一の難関は、これで過ぎたが――いや、賄賂さえつかわせば、何のことはないんだがなあ。」

「兄上様に知れずに、こっそり――。」

「それはできぬ。吉良の態度で、兄にすぐ知れるよ。」

糸重は、黙り込んだ。

腕を組み直して、辰馬が、妻の顔を覗きこむように、

「亀井殿に訊くことも、そうたびたびはならぬ。また、昨年と今年で、じっさい変ることもあるに相違ない。土台、兄貴の頑固ときたら、何も知らんくせに、自分一個の量見で押し通すなどと、おれにさえ聴こうとはせぬ。書き物にして、そっと机のうえに残しておくと、人のおらぬのを見すまして一生懸命に読む始末だ。兄貴の面白いところだが、今度は困ったよ。あれで、短気だから、吉良の性悪に勘忍しきれずに、大事にならねばよいが――。」

糸重が、しんみりと、

「おあにい様のお身の上――ひいては、お家が第一でございますから。」

「ついては、おれに策がないでもない。お前にも、ちょっと働いてもらわねばならんかもしれぬが。