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Japanische Klassiker mit Furigana

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げんろくじゅうさんねん

元禄十三年

林 不忘

Lesen Sie 元禄十三年 (げんろくじゅうさんねん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.586 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

ないのか。本役の美濃である。一応、眼を通しておかなければ、不都合だ。さし出すがよい。」

眼に見えて、吉良は、ふるえてきた。

「ござらぬ。」

「紛失いたしたな。」

「いや、持っておる。が、このほうは高家筆頭じゃ。わしが見ておれば、それで充分。お手前に関係したことではない。」

「なに、御饗応のお次第書が、本役のおれの知ったことではないと――。」

吉良は、生えぎわに汗を見せて、

「まあさ、そう大きな声をされんでも――今にも天奏衆がお着きになる。その銅鑼声がお耳にはいっては、おそれ多い。」

が、美濃守は、たたみかけるように、

「御老中連名のお次第書だ。天奏衆御出発の用意等、出ておるであろう。こちらから老中へ返納いたす。出せ!」

どうして、お次第書などというものがあることを、この美濃は知っているのだろう――吉良は、相手になるまいとした。

美濃守は、にやりとして、

「これだけの心得がなくて、本役をお受けできるか――勅使両山御霊屋へ御参詣、お目付お徒士頭が出る。定例じゃぞ。十三日が、天奏衆御馳走のお能。高砂に、三番叟。名人鷺太夫がつとめる。御三家、老若譜代大名、諸番がしら、物頭、お医師まで拝観、とある。