Japanische Klassiker mit Furigana
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あにたち
兄たち
Lesen Sie 兄たち (あにたち) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.915 Zeichen · 16 Bildschirme
この兄は、からだが弱くて、十年まえ、二十八歳で死にました。顔が、不思議なくらい美しく、そのころ姉たちが読んでいた少女雑誌に、フキヤ・コウジとかいう人の画いた、眼の大きい、からだの細い少女の口絵が毎月出ていましたけれど、兄の顔は、あの少女の顔にそっくりで、私は時々ぼんやり、その兄の顔を眺めていて、ねたましさでは無く、へんにくすぐったいような楽しさを感じていました。
性質はまじめな、たいへん厳格で律儀なものをさえ、どこかに隠し持っていましたが、それでも趣味として、むかしフランスに流行したとかいう粋紳士風、または鬼面毒笑風を信奉している様子らしく、むやみやたらに人を軽蔑し、孤高を装って居りました。長兄は、もう結婚していて、当時、小さい女の子がひとり生れていましたが、夏休みになると、東京から、A市から、H市から、ほうぼうの学校から、若い叔父や叔母が家へ帰って来て、それが皆一室に集り、おいで東京の叔父さんのとこへ、おいでA叔母さんのとこへ、とわいわい言って小さい姪ひとりを奪い合うのですけれど、そんなときには、この兄は、みんなから少し離れて立っていて、なんだ、まだ赤いじゃないか、気味がわるい、などと、生れたばかりの小さい姪の悪口を言い、それから、仕方なさそうに、ちょっと両手を差し伸べ、おいでフランスの叔父さんのとこ