Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうだいのやまばと
兄弟のやまばと
小川 未明
Lesen Sie 兄弟のやまばと (きょうだいのやまばと) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.975 Zeichen · 8 Bildschirme
それきり、二羽の子ばとは、姿を見せませんでした。町にいって、たくさんの町のはとたちに珍しがられて、得意になって、山の話をしていたものでしょうか……。兄弟のようすはわからなかったのです。その日から、山では、母親の子供を呼ぶ声がさびしく、陰気に、毎日のように聞かれました。
半月もたった、あらしの過ぎた朝のことでした。海の波は、いつかの二羽の兄弟のはとが疲れはてて、砂原に降りているのを見ました。町から、無事に帰ったものと思われます。
「こんなに、朝早くどうしたのですか?」と、波は、二羽の疲れはてた兄弟に向かってたずねました。
すると、兄は、だいぶ傷んだ翼をくちばしで整えながら、
「町の空は、真っ赤だ。いつか、ここへきたはとも、いままですんでいた寺も、みんな焼けてしまった。私たち二人は、やっと逃げて、ここまできた。」と、息をせきながら、いいました。
波は、この話をきいて、びっくりして、空へ跳ね上がって、かなたの空を見ようとしました。
その間に、二羽のはとは、山の方を指して飛んでいったのであります。
――一九二五・一〇作――