Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

とうせいかつしゃ

党生活者

小林 多喜二

Lesen Sie 党生活者 (とうせいかつしゃ) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.537 Zeichen · 130 Bildschirme

Aozora Bunko

しかも六十の母親にとっては。母がこれだけのことを決心してくれたことには、私は身が引きしまるような激動を感じた。私は黙っていた。黙っていることしか出来なかった。

外へ出ると、母は私の後から、もう独りで帰れるからお前は用心をして戻ってくれと云った。それから、急に心配な声で、

「どうもお前の肩にくせがある……」

と云った。「知っている人なら後からでも直ぐお前と分る。肩を振らないように歩く癖をつけないとね……」

「あ、みんなにそう云われてるんだよ。」

「そうだろう。直ぐ分る!」

母は別れるまで、独り言のように、何べんも「直ぐ分る」を云っていた。

私はこれで今迄に残されていた最後の個人的生活の退路――肉親との関係を断ち切ってしまった。これから何年目かに来る新しい世の中にならない限り(私たちはそのために闘っているのだが)、私は母と一緒に暮すことがないだろう。

その頃ヒゲからレポが入った。

ヒゲは始めT署に五日ばかりいて、それからK署に廻わされ、そこで二十九日つけられた。須山や伊藤たちの出入りしているTのところへ、彼と檻房が一緒だった朝鮮の労働者がレポを持ってきたので、始めて分った。