Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いれふだ

入れ札

菊池 寛

Lesen Sie 入れ札 (いれふだ) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.917 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

九郎助 俺、こう思うんだ。浅には四枚へいらあ。喜蔵には三枚だ。すると後に四枚残るだろう、その四枚の中で、俺二枚取りていのだ。お前は俺に入れてくれるとして。

(九郎助じっと弥助の顔を見る)

弥助 (黙ってうなずく)……。

九郎助 お前が俺に入れてくれるとして、あとの一枚だ。俺、この一枚をとるためには、片腕でも捨てたいのだが。

弥助 冗談いっちゃいけねえ! そう思いつめなくとも大丈夫だよ。喜蔵だって、お前に入れねえものじゃねえよ。

九郎助 あいつは、俺とこの頃仲がいいからなあ! あと一枚だ。あ、あと一枚だ。(じっと腕をくむ)

(水を飲みに行った人々、どやどやと帰って来る)

喜蔵 あんなにぎりめしを、もう十五、六食いていや。

浅太郎 あれでも、一時の虫抑えにはありがたい。さあめしはすんだ。入れ札を早くやってもらおうか。

喜蔵 心得た。

(彼は、懐中より懐紙を出し、脇差をぬいて幾片かに切断する。みんなに一枚ずつ渡す)

喜蔵 矢立の筆は、一本しかねえぞ。なるべく早く書いて回してくれ。書いたやつは、小さく折って、この割籠の中に入れてくれ。

忠次 札の多い者から三人だぜ。

十蔵 ええ承知しました。