Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

今はほとんど順序もない、若殿のご座船を中に包み、後の船が先になり、先の船が後になり、高島城の水門を差し右往、左往に漕いで行く。

石棺引き上げの第一日目はこうして失敗に終わったのである。

爾来若殿頼正の心は怏々として楽しまなかった。第二回目を試みようとしても応ずる者がないからである。

ある夜、一人城を出て、湖水の方へ彷徨って行った。それは美しい明月の夜で湖水は銀のように輝いている。ふと、その時、頼正は、女の泣き声を耳にした。

湖水の岸に柳があり、その根方に一人の女が、咽ぶがように泣いている。

頼正は静かに近寄って行った。

「見ればうら若い娘だのに、何が悲しくて泣いておるぞ?」こう優しく云ったものである。

女はハッと驚いたように、急に根方から立ち上がったが、その女の顔を見ると、今度は頼正が吃驚りした。

月の光に化粧された、その女の容貌が、余りにも美しく余りにも気高く、あまりにもたけていたからである。

一九

照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしくものはなし。

敢て春の月ばかりではない、四季を通じて月の光は万象の姿を美しく見せる。

湖水を背にしてスラリと立ち、顔を両袖に埋めながらすすりなきする乙女の姿は、今、月光に化粧されていよいよ益※(二の字点、1-2-22)美しく見える。