Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme

Aozora Bunko

私の好奇心は燃え上がった。で、翌日案内され、十石ヶ嶽まで行くことにした。

道は随分険しかったが、それでもその日の夕方に、十石ヶ嶽の中腹まで行った。

眼の下に広々とした谿谷があり、夕べの靄が立ちこめていた。しかしまさしくその靄を破って、無数の立派な家々や、掘割に浮かんでいる船が見えた。そうして太陽が没した時、電灯の輝くのが見て取れた。

夢でもなければ幻でもなかった。

彼らの国があったのである。

噂によれば、金木戸川の上流、双六谷にも人に知られない、相当大きな湖水があり、その周囲には、水狐族の、これも立派な町があり、そうして依然二種族は、憎み合っているということである。

いつまでも活きている鏡葉之助、人間の意志の権化でもあり、宇宙の真理の象徴でもある。

永遠に活きるということは、何んと愉快なことではないか。

しかし永遠に活きるものは、同時に永遠の受難者でもある。

そうしてそれこそ本当の、偉大な人間そのものではないか。

それはとにかく私としては、自分自身へこんなように云いたい。

「ひどく浮世が暮らしにくくなったら、構うものか浮世を振りすて、日本アルプスへ分け上り、山窩国の中へはいって行こう。