Japanische Klassiker mit Furigana
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やつがたけのまじん
八ヶ嶽の魔神
国枝 史郎
Lesen Sie 八ヶ嶽の魔神 (やつがたけのまじん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.664 Zeichen · 323 Bildschirme
早くも見付けた若侍ども、「おや」と一人が囁くと、「うん」と一人がすぐに応じる。バラバラと二、三人飛び出して来た。
「これはこれは葉之助殿、そこでは充分に見えません。内にはいってご覧ください」
「さあさあ内へ、さあさあ内へ」
まるで車掌が電車の中へ客を追い込もうとするかのようにむやみに内へを連発する。
「これはどうもとんだ失礼、覗きましたは私の誤り、なにとぞご勘弁くださいますよう」葉之助はテレて謝った。
「いやいやそんな事は何んでもござらぬ。ポンポン竹刀の音がすればつい覗きたくもなりますからな。外からでは充分見えません。内へはいってゆっくりと」
「それにこれまで駈け違いしみじみ御意を得ませんでした。今日はめったに逃がすことではない」
「おい近藤何を云うんだ」白井というのが注意する。
「何はともあれおはいりくだされ」
「倉平、どうしたものだろうな?」
「若旦那、お帰りなさいませ」事態剣呑と思ったので主人を連れて帰ろうとする。
そこへまたもや二、三人若侍どもが現われた。
「葉之助殿ではござらぬか。これはこれは珍客珍客! 近藤、白井、何をしている。早く葉之助殿をご案内せい」