Japanische Klassiker mit Furigana
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かんこんそうさいはかせ
冠婚葬祭博士
佐々木 邦
Lesen Sie 冠婚葬祭博士 (かんこんそうさいはかせ) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.762 Zeichen · 30 Bildschirme
本当の会議ではない。昼食後そのまゝ彼方此方で話し込むことだ。或日、僕の近所の連中は社長を問題にした。社長が食堂へ顔を出したのである。一流の大会社だから、社長と平社員の間は大臣と属官のようなもので、直接の交渉がない。僕は初めて遙かに社長の風貌を望み見て、感じた通りを口に出した。
「ナカ/\恰幅の好い人ですな。二十貫ぐらいあるでしょう」
「二十二貫あるそうですよ。立派でしょう? 何う見たって、社長は矢っ張り社長です。自ら器が備っています」
と清水君が直ぐに答えた。食堂でも隣りに坐って指導してくれる。社長が大の自慢だ。今日あたりは社長を見せて上げると言っていたのだった。
「しかし締りのない顔ですな。毛がないからでしょう。白熊みたいです」
「白熊は毛がありますよ」
「海豹の禿げたのって感じがあります」
「動物に譬えるのは失敬でしょう。それは老人ですもの。禿げているのは当り前です」
「はあ」
「もう七十を越していますよ。矍鑠というのは昔の支那人が家の社長の為めに拵えて置いた言葉かも知れません。頭はあの通りツル/\でも、精力は壮者を凌ぎます。一名ホルモン居士というんですから、推して知るべしでしょう」