Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふゆのはなび

冬の花火

太宰 治

Lesen Sie 冬の花火 (ふゆのはなび) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.986 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

さあ、あったしましょう。

下手の障子をあけて、あさ、睦子登場。睦子はすぐ数枝のほうに走って行き、数枝の膝の上に抱かれる。

(数枝)(あさに向い、笑いながら)重かったでしょう?

(あさ)(買って来た魚のはいっている籠やら、角巻――津軽地方に於ける外出用の毛布――やらを上手の台所のほうに運びながら)ああ、重かったとも何とも、石の地蔵様を背負って歩いてるみたいだったよ。(上手の障子をあけて、台所に降りて障子をしめ、あとは声のみ)このごろはどうして、なかなか悪智慧が附いてね、おんりして歩かないかって言えば、急に眠ったふりなんかしてさ、いやな子だよ。

(数枝)(睦子の手に握られてある一束の線香花火に気附いて)おや、これは何? どうしたの?

(睦子) これは、玩具です。

(数枝) 玩具? (笑って)へんな玩具ねえ。おばあちゃんに買っていただいたの?

(睦子)(うなずく)

(あさ)(台所にて何かごとごと仕事をしていながら、やはり障子の蔭から声のみ)いまの子供は可哀そうだよ。玩具らしいものを一つも売っていないんだものねえ。日の丸の小さい旗がほしいって睦子が言うんだけれどもね、ひやりとしたよ。