Japanische Klassiker mit Furigana
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ふゆのはなび
冬の花火
Lesen Sie 冬の花火 (ふゆのはなび) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.986 Zeichen · 44 Bildschirme
(あさ) 早く、お嫁をもらえばいいのにね。
(数枝) 何かいまそんな話もあるんですって。妹さんが言ってたわ。こんどの縁談は、どうした事か、兄さんがとても乗気だって。あたしには、わかるわ。
(あさ) 何が、わかるの?
(数枝) 何がって、清蔵さんの気持が。
(あさ) どうして?
(数枝) どうしてって、だって、お母さんにあの晩あんなに迄されて、それでも改心しないなら、あのひとは馬鹿か悪魔だわ。
(あさ) その馬鹿か悪魔は、あたしだよ。あたしなのだよ。あたしは、あの晩、あの人を本当に殺そうとしたのだ。
(数枝) もういや、よしましょう、お母さん。あたしのために、みんなあたしのために、お母さん、ごめんなさいね、これからあたしは、(泣き出して)親孝行して、御恩をかえすのだから、もうなんにも言わないで。日本にはもう世界に誇るものがなんにも無くなったけれど、でも、あたしのお母さんは、あたしのお母さんだけは。
(あさ) ちがいます。あたしは、お前よりずっとずっと悪い女です。あたしは、あの晩、あのひとを殺そうとしたのは、お前のためではなかったのです。あたしのためです。数枝、あたしをこのまま死なせておくれ。