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Japanische Klassiker mit Furigana

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ふゆがれ

冬枯れ

徳永 直

Lesen Sie 冬枯れ (ふゆがれ) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.850 Zeichen · 48 Bildschirme

Aozora Bunko

鷲尾は自分でもワケのわからぬ返辞をしておいた。妹婿は朝くらいうちに出かけてゆくし、末弟は一ヶ月三百二十時間からのひどいダイヤ(乗務時間割)なので、帰省してからまだ一度もゆっくり話す機会さえなかった。

ホンとういえば、鷲尾自身、複雑ないまの自分自身がわからなくなっていた。彼達の所属する作家団体は殆んど………………しまい、一部の仲間作家達は嵐の中をドシドシ身を挺してつきすすんでいる現在、非常に困難な今後を控えて、できるだけ身軽にするために、家の後始末をしたり、父親に因果をふくめたり、可能なら子供の一人二人も預かって貰い、とにかく仲間に隨いてゆかねばならぬと思うのだが、すぐその一方では疲れきった心身と、………………底なしに崩れゆこうとする感情があって――、たとえばこんどの帰郷でも、そんな積極的なプランをもちながら、どうにも跳び越せない大きな溝をかかえたまま、あたふたと逃げ帰ったとも云える気持であった。

落つけ、落つけ――とか、こんなときアセってはならぬぞ――とか、そんな文句を「日記」の至るところに書き散らし、心の底でも必死に叫んでいるのであるが、気がつくといつの間にか身体を固くして、カブさるような冬空の、あらぬところを凝視している自分を発見するという風だった。