Japanische Klassiker mit Furigana
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ふゆがれ
冬枯れ
徳永 直
Lesen Sie 冬枯れ (ふゆがれ) von 徳永 直 (とくながすなお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.850 Zeichen · 48 Bildschirme
「闘わんさきに勝負がわかるか、犠牲をおそれて戦争ができるか――」
彼は性急にマクしたてた。心底ではしだいにフラつき出したが、自分の言葉に激して、客観的な情勢や、沢山の悲壮な犠牲者などを並べあげていったが、相手の顔がキョトンとした当惑から、到々崩れて笑い声をあげてしまったとき、鷲尾はモンドリうつように言葉がつまってしまった。――
「そぎゃン無理なこつば云うたッちゃァ……」
「無理?」
相手の笑い声がつづけばつづく程、鷲尾は慌てた。その慌てかたは益々つよくなっていって何かじッとしていられなくなってきた。少年車掌はいくらかテレ臭そうに坊主頭を掻いているのだが、その様子にはどっかテコでも動かぬものが隠されていて、鷲尾は到々立ち上ってしまった。――
「ちょッ、ちょッと散歩して来るから頼むぞ」
「はァい、よかたい」
出口にある下駄がどうしてもうまく突っかからないほど鷲尾は慌てていた。「無理? とは何だ、無理とは?」
窓外へ出ると、子供に絵本を読んできかせている虎吉の若々しい声がきこえてきた。――そこで、のらくら上等兵は……。
何という図太さだ! 何という「働く者」の図太さだ※(感嘆符二つ、1-8-75) 黄色い朝暾のなかに音をたてて崩れてゆく足許の霜柱をみつめながら、鷲尾は呆然とたちすくんでしまった。