Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
Lesen Sie 凡人伝 (ぼんじんでん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.944 Zeichen · 202 Bildschirme
「全く然うです」
「明治学園、飯が食えんか? ハッハヽヽ」
「専ら然ういう評判だから心細いんです」
「しかし不思議なものだよ。皆、兎に角食っていく。金持になったって胃袋の大きさが倍になる次第でもなかろう」
「それは然うですけれど」
「ジョンソン博士の仰有るのは、命の為めに何を食い何を飲まんと思い患う勿れって意味さ。人間は生活問題に超越しないと、本当の仕事が出来ない」
と猪股さんは序をもってお説法に移った。博士といい先生といい、これが学風だから仕方がない。仰有ることは一々御道理だけれど、高級過ぎる。職業を求めてガツ/\している私達にはピンと来ない。
春の休暇が終って新学年が始まると間もなく、赤羽君と吉田君が再試験を受けて卒業した。吉田君は神学校へ入ったが、赤羽君は私達同様身の振り方がつかない。
「何うする?」
「仕様がない。未だ当分親脛だ」
と皆覚悟を定めて寄宿舎にゴロ/\していた。
或る日、猪股先生から私へ沙汰があった。教員室へ出頭して見たら、
「君は一つ西洋人に日本語を教えて見ないか?」
という相談だった。
「やります」
「二三日中に新しい宣教師が来る。ロビンソンという若い男だ。