Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
Lesen Sie 凡人伝 (ぼんじんでん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.944 Zeichen · 202 Bildschirme
僕は初めから癪に障っているんだ」
と私はもう遠慮しなかった。
「これは仕方がないよ」
「何うして?」
「精神修養だもの」
「へえゝ」
「即答すると後悔を残す虞がある。僕は元来軽率だからね。それで大に工夫しているんだよ。答える前に然うですねと濁して置いて、凝っと考える」
「考える必要のない時でもやるよ」
「あれは一二三四と二十まで数えているんだ」
「道理で手間が取れると思った」
「何うせ人の時間だもの。此方で待っているんじゃない」
と五味君は鹿爪らしく見せかけていて、ナカ/\横着なところがあった。
これぐらい考えている男だから、游ぎ方が巧かった。錚々館へも転任で来たのだったが、三年で又飛んだ。その折、
「おい、おれを引っ張ってくれよ」
と私が頼んだら、
「然うだね」
と言って考えた丈けだったが、忘れなかったと見えて、二三年後その次の任地へ私を引き抜いてくれた。そこで数年間又一緒だったから、特別関係が深い。今では女学校長をしている。柴田君よりもずっと故参だ。先頃校長会議に上京した時、訪ねて来て一晩話した。
「錚々館へ赴任した時は二十四だったが、長男がもう二十一だよ。此年から大学へ入った」