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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼんじんでん

凡人伝

佐々木 邦

Lesen Sie 凡人伝 (ぼんじんでん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 98.944 Zeichen · 202 Bildschirme

Aozora Bunko

但し家へ来たのでなく、旅館から学校へ電話をかけて、私に出頭を命じたのである。昔は兎に角、今は身分が違うから仕方がない。

「赤羽だよ。赤羽明。群馬県の産」

と名乗り丈けは昔の通りだった。

「はあ/\。赤羽君ですか?」

「うむ」

「それは/\。珍らしいですな」

「シナ忠にいる。直ぐやって来ないか?」

「上りましょう。丁度授業が終ったところです」

と私は何うしても対等の調子が出なかった。貧乏していると金力の威圧を感じ易い。シナ忠旅館に出頭した私の背広姿は見すぼらしかった。田舎町だと中学校の奏任教諭は相応顔を見知られているが、名古屋辺では保険の勧誘員ぐらいにしか扱われない。私は応接間へ通されたきり一時間近く待たされた。先客が二人控えていたから順番で赤羽君の部屋へ呼び出される。

「やあ、待ったぜ」

と赤羽君が言った。

「僕こそ待ったよ」

「何処で?」

「応接間で」

「早く然う言えば宜いのに。今の連中は勝手にやって来たんだ。有象無象が詰めかけて困るんだよ」

「ふうむ」

と私は感心して、

「久しぶりだね」

と直ぐに寛いだ。

「死んでいるか生きているかと一寸思いついたんだよ」

「御無沙汰した」