Japanische Klassiker mit Furigana
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おとめのきとアブ・サルガ
処女の木とアブ・サルガ
野上 豊一郎
Lesen Sie 処女の木とアブ・サルガ (おとめのきとアブ・サルガ) von 野上 豊一郎 (のがみとよいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.098 Zeichen · 20 Bildschirme
昔バビロンと呼ばれた都の跡で、クリスチャンの居住区域である。今も住民の多くはコプトだそうだが、町角に車を止めて、カスル・エム・シャムとかいった裏町の、アラビア風の白壁の、唐草模様の木格子の嵌まった家々の並んだ狭い小路を曲りくねって行くと、アブ・サルガ(聖セルギウス)の教会と呼ばれる小さい古い建物を見出す。モハメド教徒侵入以前の教会として伝えられているけれども、それは地下塋窟についてのみ真実で、上の部分は多分九世紀の中頃に改造されたものだろうという説が正しいと思う。
様式はバジリカ風で、エジプト・ビザンティウム式教会の原型的なものである。建物は長方形で、西の隅の入口から入るとすぐ前房で、中央に方形の洗盤があり、それに続いて内陣があり、内陣は本来は男の会衆の席で、女の会衆の席は前房から右へ折れた廻廊であるべきだが、今は本陣を二つに仕切り、右が男の席、左が女の席となっている。本陣の両側は型の如く側堂で、本陣の先には一段高くなって内陣(唱歌席)があり、その先の突きあたりの中央にはヘイカル(聖所)と呼ばれる半円形の壁龕になった祭壇があり、その左右に礼拝堂が一つずつある。