Japanische Klassiker mit Furigana
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しょかのふしぎ
初夏の不思議
小川 未明
Lesen Sie 初夏の不思議 (しょかのふしぎ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.669 Zeichen · 8 Bildschirme
」と、小僧は、耳たぶを真っ赤にして、答えました。
「それでは、まからないのかい、じゃ、いらないよ。」
女は、邪慳にいって、手に取りあげていたいちばん大きなすいかを投げ出すように、かごの中へ落としました。あまり、手荒であったため、大きなすいかは、下のすいかにぶつかって傷がつきました。
小僧はびっくりいたしました。
「お、奥さん、こんなに傷がついてしまいました。傷物になっては、主人にいいつかった値では、どこへいったって売れません。ど、どうかこのすいかを買ってください。」と、顔を赤くして、頼みました。
「なに、私が、そんなことを知ったものかね、私は、下に置いたばかしなのだよ。」と、女は、邪慳にいって、相手にしませんでした。
この有り様をだれも見ていたものはありません。ただ、太陽だけが、空から、ながめていました。小僧は、途方にくれて、目に、いっぱい涙をためていました。
ちょうど、このとき、あちらから、かすんだ往来をまだ若い薬売りがやってきました。二、三年前まで、おじいさんが、薬を売りにやってきたのでしたが、このごろは隠居でもしたのか、まだ若い男が、旅から、わざわざこの村の方までやってきて、薬を売るのでありました。