Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しょや

初夜

山本 周五郎

Lesen Sie 初夜 (しょや) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.384 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

読経が終り、焼香が済んだとき、市松はもう母の膝で居眠りを始めた。いつきはその子の肩を袖で包みながら、初めて代二郎に話しかけた。七日まえに脇屋家へ来てから、口をきくのはそれが初めてであった。僧たちはすでに去ったが、本堂の須弥壇には灯が明るく、大きな香炉からは、香の煙がまだ濃くたちのぼっていた。

「わたくし残念です」といつきは云った、「――あなたのなされかたは道理にかなっているかもしれません、けれどわたくしは、除村を男らしく死なせてやりとうございました」

「男らしくですって」

「除村は思い切ったのです」といつきは云った、「――侍の義理も名も捨て、妻子もろとも斬り死にをしよう、そう思い切ったのです、男がそこまで思い切ったものを、どうして望みどおりに死なせてやって下さらなかったのですか」

「なるほど、その意味ですか」

代二郎はちょっと当惑した。いかにもいつきらしいが、そういう苦情をそんなにはっきり、しかも面と向って云われようとは思いがけなかった。

「しかし私はこう思うのです」代二郎は云った、「――彼が小森を斬ったのはどこまでも藩の安泰を守るためで、決して破壊するのが目的ではなかったでしょう、彼が小森を斬ってくれた、その決断があったからこそ、私があと始末を買って出たのだし、その始末もうまくいったので、これはみな彼の男らしい