Japanische Klassiker mit Furigana
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わかれたるつまにおくるてがみ
別れたる妻に送る手紙
近松 秋江
Lesen Sie 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) von 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.985 Zeichen · 103 Bildschirme
が、「その金は渡すこと相成り難く候。」とあるのは可怪い。長田の編輯している日曜附録に、つまらぬことを書かして貰って僅かばかりの原稿料を、併も銭に困って、一度に、月末まで待てないで、二度に割いたりなどして受取っているのだが、分けても此の頃は種々なことが心の面白くないことばかりで、それすら碌々に書いてもいない。けれども前借をと言えば、仮し自分が出社せぬ日であっても、これまで何時も主筆か編輯長に当てゝ幾許の銭を雪岡に渡すように、と、長田の手紙を持ってさえ行けば、私に直ぐ受取れるように、兎に角気軽にしてくれている。然るに、仮令銭は渡せない分とも、その銭は渡すことならぬ、というその銭は、何ういうつもりで書いたのだろう? 自分は平常懶惰者で通っている。お雪を初めその母親や兄すらも、最初こそ二足も三足も譲っていたものだが、それすら後には向からあの通り遂々愛想を尽かして了った。幾許自分にしても傍で見ているように理由もなく、只々懶けるのでもないが、成程懶けているに違いない。長田は国も同じければ、学校も同時に出、また為ている職業も略ぼ似ている。それ故此の東京にいる知人の中でも長田は最も古い知人で、自分の古い頃のことから、つい近頃のことまで、長田が自分で観、また此方から一寸々々話しただけのことは知っている。