Japanische Klassiker mit Furigana
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こくこく
刻々
宮本 百合子
Lesen Sie 刻々 (こくこく) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.401 Zeichen · 73 Bildschirme
骨だった肩にちっとも似合わない白っぽいお召を着て、しみじみ自分の手の甲をさすりながら、
「正直なところ、ああいうところへ入れられると赤くならずにいられやしませんね。やり方がひどいからね、人間扱いじゃないもの。……」
女監守は自分のものを干す物干竿と女囚のとをやかましく別にしていて、うっかり間違えて女監守の竿にかけでもすると、
「オイ、オイ! 誰だい? きたならしいじゃないか! 誰が間違えたんだ!」
と、すぐはずさせ、その物干竿に石鹸をつけてもういいという迄洗わせる。
「そいでいて、自分達がコソコソすることって云えば、平気でお香物やおかずの上前をはねてるじゃありませんか! きたならしくないのかねエ」
刑務所の食糧は糖分が不足しているから、ウズラ豆の煮たのは皆がよろこぶ。ウズラ豆の日だと女監守は各房へ配給する前、一人ずつの皿からへつって自分のところへくすねて置き、休憩時間のお茶うけにするのだそうであった。香の物は四切れのところを、三切れずつにしてこれも、お茶うけにする。――
「そういうことを見せられちゃね……だから、女監守が休憩の時、よく私共に、共産党の女のひとがどの房とどの房で話しするか見張っていろって云うけれど、誰もそんなこと真面目にきくものはありませんわ。