Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜんしょう
前哨
黒島 伝治
Lesen Sie 前哨 (ぜんしょう) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.857 Zeichen · 18 Bildschirme
ボロ/\と、少しずつくずれ落ちそうな灰色の壁には、及川道子と、川崎弘子のプロマイドが飯粒で貼りつけてある。幹部は、こういうものによって、兵卒が寂寥を慰めるのを喜んだ。
六時すぎ、支部馬の力のないいななきと、馬車の車輪のガチャ/\と鳴る音がひゞいて来た。と、ドタ靴が、敷瓦を蹴った。入口に騒がしい物音が近づいた。ゴロ寝をしていた浜田たちは頭をあげた。食糧や、慰問品の受領に鉄道沿線まで一里半の道のりを出かけていた十名ばかりが、帰ってきたのだ。
宿舎は、急に活気づいた。
「おい、手紙は?」
防寒帽子をかむり、防寒肌着を着け、手袋をはき、まるまるとした受領の連中が扉を開けて這入ってくると、待っていた者は、真先にこうたずねた。
「だめだ。」
「どうしたんだい?」
「奉天あたりで宿営して居るんだ。」
「何でじゃ?」
「裸にひきむかれて身体検査を受けて居るんだ。」
「畜生! 親爺の手紙まで、俺れらにゃ、そのまゝ読ましゃしねえんだな!」
でも、慰問袋は、一人に三個ずつ分配せられた。フンドシや、手拭いや、石鹸ばかりしか這入っていないと分っていても、やはり彼等は、新しく、その中味に興味をそゝられた。