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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

Lesen Sie 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.568 Zeichen · 98 Bildschirme

Aozora Bunko

「ほほう提燈? 通行人のね?」

「加賀屋と書いてありましたんで」

「え」と云ったが松吉の眼は、この時ピカリと一閃した。

「加賀屋と書いてありましたかな」

12

なおも乞食は云いつづけた。

「宇和島様でございましょうな、加賀屋からのお迎えでございます。……こう云ったではありませんか」

「ははあ提燈の持主がね?」

「へい左様でございますよ。……それから、侍を囲繞んで、霊岸島の方へ行きましたので」

「霊岸島の方へ? 不思議ですなあ。加賀屋の本家も控えの寮も、霊岸島などにはなかったはずだが」

「これが好奇というのでしょう、後をつけたのでございますよ、人殺しをした侍が、どこへ落ち着くかと思いましてね」

「偉い」と松吉は手を拍った。

「ねえお菰さん、お菰さんを止めて、私の身内におなりなさいまし」

「これは」と乞食は苦笑したが、

「で、つけたのでございますよ」

「それで、どうでした、どこへ行きました?」

「へい、柏家へ入りました」

「柏家? なるほど、一流の旅籠だ」

こうは云ったが考えた。

「ちょっと不思議な噂のある旅籠だ。……ところで、それからどうしました?」

「話と申せばこれだけなので」

ニンマリと乞食は笑ったが、