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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんきょう

剣侠

国枝 史郎

Lesen Sie 剣侠 (けんきょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.961 Zeichen · 310 Bildschirme

Aozora Bunko

壮年武士の表情には、軽侮と傲慢とがあるばかりであった。

しかし娘にそう云われた時、その表情を不意に消し、

「これは恐縮に存じます。……いや私の伎倆など、まだまだやくざでござりまして、まさしく小父様に右の籠手を、一本取られましてござります。……将来気をつけるでござりましょう」

「さようさようそれがよろしい、将来は気をつけ天狗にならず、ますます勉強するがよい。いやお前にそう出られて、わしはすっかり嬉しくなった。……では茶でものむとしようぞ。……陣十郎来い、澄江来い」

好々爺の本性に帰ったらしく、こう云うと老武士は木剣を捨て、屋敷の方へ歩き出した。

「では陣十郎様、おいでなさりませ」

「は」と云ったが陣十郎様という武士は、何か心に済まないかのように、何か云い出そうとするかのように澄江の顔を凝視するばかりで、歩き出そうとはしなかった。

「澄江様。……澄江様」

「はい、何でございますか?」

「私の甲源一刀流、お父上の新影流より、劣って居るとお思い遊ばしますかな?」

「いいえ……でも……わたくしなどには……」

「お解りにならぬと仰せられる?」

「わかりませんでござります」

「わからぬものは剣道ばかりか……男の、男の、恋心なども……」