Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょう
剣侠
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠 (けんきょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.961 Zeichen · 310 Bildschirme
「それを一々嘉門様には、お取り上げなされてご合力なさる」
「感心だな。金があるからだろうが」
「親分方といたしましても、見て見ぬふりも出来ませんので、お訪ねをしてお礼を云う」
「義理堅い手合だ、そうだろう」
「嘉門様には一々逢われて、丁寧にご会釈なさるそうで」
「金持には珍しい心掛けだな」
「そこで諸国の親分衆と、嘉門様とはそんな関係から、ずっと永らく交際して居られ、嘉門様が旅などなさいますと、その土地々々の親分衆が、争って歓待なさいますそうで」
「ははあそうか、よく解った」
「高萩村の猪之松親分とは、心が合うとでも申しましょうか、わけても親しいご交際だそうで、馬市が終えると大金を持たれ、毎年のようにこの土地へ参られ、猪之松親分をお相手にして、上尾の宿がひっくり返るほどの、多々羅遊びをなさいます」
「フーンそうか、豪勢なもんだな」
「と云いましても抜目は無く、武州には小金井の牧場があり、牧馬や、牧牛が盛んでありますから、その間に牧主や博労衆などと、来年の馬市の交渉などを、なさいますそうでございます」
「それはまあそうだろう」
「多々羅遊びをなさいまして、上尾の宿を潤しますので、馬大尽がおいでになったと聞くと、宿の人達は大喜びで、お祭のようにはしゃぎます」