Japanische Klassiker mit Furigana
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けんきょう
剣侠
国枝 史郎
Lesen Sie 剣侠 (けんきょう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 156.961 Zeichen · 310 Bildschirme
……見ればお前さんも朝帰りらしいが、上尾へでも行ったのかえ」
「うむ」と猪之松は苦い顔をし、当惑らしくそう云ったが、
「実は俺らもその通り、上尾へ行って遊んだが、面白くもねえ待遇を受け、業を湧かしての帰り道さ。いやすっかり懲りてしまった」
「あんまり懲りてもいないようだが……そうしてどこへ上ったのかな?」
「楼か、楼は、ええと笹屋だ」
「へえ、こいつは面妖だな。俺らの上ったのも笹屋だが、お前さんの噂は聞かなかったぜ」
「はてな、それじゃア違ったかな」
「大違いの真ン中だろう。……まあそんなことはどうでもいい。そこで高萩の相談がある。聞けばお前さんは小川宿の、逸見多四郎先生の、直弟子で素晴らしい手並とのこと、以前から一度立合って、教えを受けたいと思っていた。ここで逢ったは何より幸い、あまり人通りも無さそうだから、迷惑だろうが立合ってくれ」
「ナニ立合え? ……剣術の試合か?」
「それも是非とも真剣で」
「真剣勝負?」
「命の遣り取り!」
「…………」
猪之松は無言で眼を見張った。
しかし心では考えた。
(お山との関係を知ったらしい。そのお山だがこっちから手を出し、横取りしたというのではない。