Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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そうさくかのたいど

創作家の態度

夏目 漱石

Lesen Sie 創作家の態度 (そうさくかのたいど) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.224 Zeichen · 128 Bildschirme

Aozora Bunko

やれやれと安心しているとその晩またあらわれました。そうして手を伸して、首を上げて、波の上を滑って、船のあとをつけて、いかにも淋しい声で、夜もすがら唄をうたいます。それから夜が明けると、またふっと消えます。そうして夜になるとまた出ます。そのうち船がとうとうネープルスへ着きましたので、かの音楽家はそこで上陸致して、自分の郷里へ帰ると、手紙が来ております。差出し人はと見ると、ポートサイドにいる友人で、かねて自分と彼の女との間を知っているものでありました。すぐに開封して見ると、あの女は君が船へ乗って出帆するや否や、海の中へざぶざぶ這入って行って、とうとう行き方知れずになったとありました。――話はこれでおしまいです。私はこの話を読むと何となく妙な気分になりました。その気分が妙になるところにこの話の価値はあるのですから、どの畠のものであるかは分っております。しかし真には乏しい。実事物語としてかいてありましたが、どうもその方の価値は乏しい。真とか真でないと云う事は、たくさんの人の経験が一致して存在していると認めるか、また天下に一人でもいいからその存在を認めたものがあって、これが真だと云った時に、他のものがこれを認識しなくてはならんものであります、また本人は真だと証明し得るものでなくてはなりません。