Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
「この小説の主人公に連れ添っているということが世間へ知れ渡れば、立派な名誉毀損ですもの。当り前なら離婚を申出るんですけれど、今更仕方ありませんから、慰藉料と原稿料で堪忍して上げますわ」
「お前も流石に商人の女房だ。勘定を忘れないところが豪い」
「慰藉料が五千円よ」
「そんなに吹っかけちゃ困る」
「いゝえ。それぐらいの値打は充分ありますわ。私ってものが好い馬鹿になるんですから」
「まあ/\、追っての相談にしよう。これから先は寧ろお前の宣伝だ。お前を理想の良妻賢母として書く。今までのところだって、こゝを御覧」
と僕は原稿を撥って、
「何うだい? 『妻は幽香子という。名詮自性、蘭の花を聯想させるような美人だ』と書いてある。これは僕の心持のありのまゝだよ。それから、こゝだ。『妻が睨んだ。幽香子さんは目千両だと菊太郎君も認めている』どうだい? 豊子さんの方は『今会って見ると、そう大した美人でもないが……』と来ている。全然ダンチって形だ」
と懐柔に努めた。五千円なんてことではお話にならない。
「その後がいけませんわ。『然う大した美人でもないが、矢張り可なりに踏める』とあります」