Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
しかしそれがアベコベになってしまって、君に犬馬の労を執って貰うんだから、僕だって苦しいよ」
「考えて見ると、僕は正直過ぎるから何うしても損をする。この間なんか雪の降る日にお供をして風邪を引いた」
「あの時は君が発起したんじゃないか? 僕は天気の好い日だけだと言っていたんだ」
「剛健質実の気風を養うんだと言うから、雪中行軍なんかは殊に乃木式で好いと思ったのさ。瞞され方が徹底しているから腹が立つんだ」
「正直だよ、本当に。この頃の学生には珍らしい方だ」
「褒めるな」
「失敬々々」
「馬鹿にするな」
「困ったな、これは」
「風邪も流感で熱があったぜ。子供の時病気を移して未だ足りないのかい? 嘘をついて風邪を引かせる」
「責任を感じて、将来犬馬の労を執る決心を固めたよ」
「しかし犬馬の労は僕が執るんじゃないか?」
「番が狂ったんだよ。僕だって執る時が来れば屹度執る。責任を持って腹さえ切る気でいる」
「僕は損ばかりだ。変な廻り合せだよ」
「君、僕が極めをつける」
「何うするんだい?」
「あやまり証文を書く」
「ふうむ」
「考えて見ると、君には随分迷惑をかけている。今度ばかりじゃない」
「幼年時代、少年時代、青年時代と三口に分れているぜ」