Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
同じ年の同じ月同じ日に生れて、小学中学大学とも同級の隣り同志だから深い因縁だ。僕は午後の課業が終ると直ぐに、菊太郎君と一緒に乃木坂へ廻った。
「君、僕は乃木将軍の伝を五冊から読破しているぜ」
と菊太郎君も流石に気が咎めたようだった。
「よせよ」
「何だい?」
「もう他人行儀には及ばない。君と僕は同じ日に生れて隣り同志に育ったんだ。学校だって悉皆同じだもの。君が乃木大将の伝を読む人間かどうか、チャンと分っている」
「早合点をしちゃ困る。読まない方に分っているんだろう?」
「うむ」
「失敬な」
「ハッハヽヽ」
「僕は五冊から読破している。嘘だと思うなら見せてやる。何月何日読破ということまで一々書いてあるんだ」
「兎に角、将来は時々乃木さんへお詣りすることになるかも知れないね。僕はそう切望して置く」
「僕もそんな想像を描いている。里へ遊びに来た時、一寸乃木さんへお詣りして来るなんてことにね」
「そのとき何んな人が祀ってあるんだろうと思って、乃木さんの伝を買っても晩くはない」
「君は失敬だよ、本当に」
「ハッハヽヽ」
「自分が読んだことがないものだから、人も然うだと思っているんだ」
「ハッハヽヽ」