Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
「…………」
「私だってお店をお預かりしていれば責任ってものがあります」
「僕、悪かったです」
「引っかけた人は実に目から鼻へ抜けています。学校出のお坊ちゃんと見て取ったんです。先生だから内証だとは巧くやりました。世の中の人を皆同級生と思っているんですから、先生と聞かされゝば、一も二もなく敬意を表します」
「実際他の客よりも安心だと思っていたんです」
「大難が小難でした。このお灸が効けば、千円のお灸も安くつきます」
「何分宜しく」
「御参考の為めに申上げて置きますが、斯ういうことが店員のボーナスに響いて来ますよ、その人から取れなければ、他に何処からも埋め合せが出来ません」
「重々恐れ入りました」
僕は一々下から出た。使用人のくせに生意気だと思ったけれど、執り成して貰うのだから仕方がない。晩にイヨ/\親父の前へ出た。丸尾さんからもう逐一話してある。丸尾さんが僕の直ぐ側に坐ってくれたのは頼もしかった。
「北海道には熊がいる」
と親父が口を切った。
「…………」
「熊というものは鮭を捕るのが上手だ。何尾も捕って、縄に通して担いで行くけれど、結び瘤を拵える智恵がないから、折角の獲物が皆抜けてしまう」