Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
「まあ。オホヽヽ」
久子夫人が笑い出した。
僕は楽観した。菊太郎君の場合より形勢がグッと好い。先方は親しい友人の奥さんの妹だ。僕はそのお父さんの加藤さんを知っているし、仲人役の菊太郎君も形式的ながらもう紹介して貰っている。切っかけがないと思って諦めていたら、切っかけだらけになって来たのである。大手搦手から攻めが利く。唯一つ案じられるのは先口だ。それを考えると暗くなる。
「これは屹度纒まる。是が非でも僕が纒めて見せる」
と菊太郎君が翌日言った。
「何分頼む」
「大舟に乗った気でい給え」
「君の大舟には懲りているけれど、今度は棚のものを取るだけの労力らしいから安心している」
「然う手軽に見られちゃ張合がないな」
「お手軽に限るんだ。僕は君のように無理な註文をしない。知っているところから知っているところへ足を運んで、極く当り前の口上を言って貰えば宜いんだから」
「恩返しだから、些っと骨を折りたいんだけれど、これはシーザーだ。我既に勝てり」
「違う。我、来たり、見たり、勝ちたり」
「然うか? 兎に角、朝飯前だ。これが纒まらないようなら、僕は余っ程何うかしている」
「しかし先口ってことがある。