Japanische Klassiker mit Furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lesen Sie 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.262 Zeichen · 243 Bildschirme
ある見識を捨てゝこそ認められるのである。僕はこれでも大いにある方だ。捨てろと言うくらいだから、菊太郎君もチャンと見ているのだ。そこで僕は翌晩、菊太郎君と一緒に小柴君の家庭を訪れて、一部始終を物語った。去年の暮から小柴君の披露会までに亙って、可なりの長講だった。文子夫人にも残らず聴いて貰って、悉皆見識を落してしまった。
「僕としては一も二もないんだけれど、お父さんは株屋が嫌いだと言うんだ。困ったな、これは」
と小柴君は首を傾げるだけで、一向友達甲斐を示さない。
「何うして株屋が嫌いなんだろう?」
「投機的の商売だからさ。危いと思っているんだ」
「仲買人だぜ。投機をやるのはお客さんだ。僕達は売買の仲介をして、手数料で食っている。扱う品物が証券で相場の変動が激しいから、素人目には危いように見えるかも知れないけれど、石炭屋金物屋と同じような手堅い商売だ。又然うなくては立ち行かない」
「手張りなんか些っともやらないんだ」
と菊太郎君は余計なことを言う。
「手張りって?」
と小柴君はすぐに問題にした。
「張るのさ。自分の手で」
「チョク/\やっているんだろう?」
「いや、やっても真の小遣取りだ」