Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうぶごと
勝負事
菊池 寛
Lesen Sie 勝負事 (しょうぶごと) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.952 Zeichen · 8 Bildschirme
小学校時代に、修学旅行という言葉が、どんなに魅惑的な意味を持っているかは、たいていの人が、一度は経験して知っておられることと思いますが、私もその話を先生からきくと、小躍りしながら家へ帰って来ました。帰って両親に話してみますと、どうしても、行ってもいいとはいわないのです。
今から考えると、五円という旅費は、私の家にとっては、かなりの負担だったのでしょう。おそらく一月の一家の費用の半分にも相当した大金だったろうと思います。が、私はそんなことは、考えませんから、手を替え品を替え、父と母とに嘆願してみたのです。が、少しもききめがないのです。
もう、いよいよ明日が出発だという晩のことですが、私は学校の先生には、多分行かれない、と返事はして来たものの、行きたいと思う心は、矢も楯も堪らないのです。どうかして、やってもらいたいと思いながら、執念く父と母とにせびり立てました。とうとう、父も母もしつこい私を持てあましたのでしょう、泣いたり、怒ったりしている私を、捨てて置いて二人とも寝てしまいました。
私は、修学旅行の仲間入りのできないことを、友達にも顔向けのできないほど、恥かしいことだと思い詰めていたものですから、一晩中でも泣き明かすような決心で、父の枕元で、いつまでもぐずぐず駄々をこねていました。