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Japanische Klassiker mit Furigana

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くんしょうをもらうはなし

勲章を貰う話

菊池 寛

Lesen Sie 勲章を貰う話 (くんしょうをもらうはなし) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.721 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

ことに彼がラウカの戦線で味方の負傷兵と重砲とを救った語は、ほとんど全軍に知れた話である。

が、彼はいくら奮戦しても、微傷さえも負わなかった。彼は自殺の短銃を独軍の砲弾にするつもりであった。が、その砲弾は、はなはだ頼りのない凶器であった。彼は、自ら死を追った。が、死は容易に彼の要求を、許さなかったのである。

そのうちに、彼の死場所が、とうとう得られたと思った。独軍に圧迫された露軍は、ヴィスワの戦線を追われ、湾曲した線をなしながら、だんだん露国の内地に退却して行った。コヴノの要塞にもう二十マイルという地点に接近した時であった。彼の大隊は、ライ麦の黄色く実った丘の上に、夜営を張った。その丘の六百メートルばかり右にも檜のまばらに生えているもう一つの丘があった。そこには、同じ五十五師団の野砲隊が、野営をしていた。翌朝、広い平原の上に夜が明けると、白い霧がいっぱいに、土地を圧していた。彼の隊へは早朝に来るはずの退却命令がどうしても来なかった。大隊長はやや焦り気味で、伝令を続けざまに、後方の師団司令部にやった。

すると、後方の、針葉樹の林に登った太陽が、濃い霧を透し始めると、左の丘には、やはり砲軍の姿がほのかに見えていた。