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Japanische Klassiker mit Furigana

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けちょう

化鳥

泉 鏡花

Lesen Sie 化鳥 (けちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.872 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

余所のものはどうであろうとちっとも心には懸けないように日ましにそうなって来た。しかしこういう心になるまでには、私を教えるために、毎日、毎晩、見る者、聞くものについて、母様がどんなに苦労をなすって、丁寧に深切に、飽かないで、熱心に、懇に噛んで含めるようになすったかも知れはしない。だもの、どうして学校の先生をはじめ、余所のものが少々ぐらいのことで、分るものか、誰だって分りやしません。

ところが、母様と私とのほか知らないことを、モ一人他に知ってるものがあるそうで、始終母様がいってお聞かせの、それはあすこに置物のように畏っている、あの猿――あの猿の旧の飼主であった――老父さんの猿廻だといいます。

さっき私がいった、猿に出処があるというのはこのことで。

まだ私が母様のお腹に居た時分だッて、そういいましたっけ。

初卯の日、母様が腰元を二人連れて、市の卯辰の方の天神様へお参んなすって、晩方帰っていらっしゃった。ちょうど川向うの、いま猿の居る処で、堤防の上のあの柳の切株に腰をかけて猿のひかえ綱を握ったなり、俯向いて、小さくなって、肩で呼吸をしていたのがその猿廻のじいさんであった。