Japanische Klassiker mit Furigana
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きたむらとうこくのみじかきいっしょう
北村透谷の短き一生
島崎 藤村
Lesen Sie 北村透谷の短き一生 (きたむらとうこくのみじかきいっしょう) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.267 Zeichen · 17 Bildschirme
しかし、その私が北村君と短い知合になった間は、私に取っては何か一生忘れられないものでもあり、同君の死んだ後でも、書いた反古だの、日記だの、種々書き残したものを見る機会もあって、長い年月の間私は北村君というものをスタディして居た形である。『春』の中に、多少北村君の面影を伝えようと思ったが、それも見たり聞いたりした事をその儘漫然と叙述したというようなものでは無くて、つまり私がスタディした北村君を写したものである。北村君のように進んで行った人の生涯は、実に妙なもので、掘っても掘っても尽きずに、後から後から色々なものが出て来るように思われる。これは北村君を知っていたからと云って、無暗に友達を賞めようという積りではない。成程過ぎ去った歴史上には種々優れた人もあるが、同時代にいた、しっかりした友達の方に、却って教えられた事は多いのである。
北村君が亡くなった後で、京橋鎗屋町の煙草屋の二階(北村君の阿母さんは煙草店を出して居られた)へ上って、残して置いて行ったものを調べた事があった。その時細君が取り出して来たいくつかの葛籠を開けたら、種々反古やら、書き掛けたものやらが、部屋中一杯になるほど出て来た。