Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
英国でもゼームス二世の時諸獣の毛皮を着る事大流行じゃったが、下等民も御多聞に洩れずといって銭はなし兎の皮を用いたので、ロンドン界隈は夥しく兎畜養場が立ったという(サウシ『随得手録』一および二)。
『礼記』に兎を食うに尻を去ると見ゆるは前述異様の排泄孔などありて不潔甚だしいかららしい。兎肉の能毒について『本草綱目』に種々述べある。陶弘景は兎肉を羹とせば人を益す、しかし妊婦食えば子を欠唇ならしむと言うた。わが邦でも『調味故実』に兎は婦人懐妊ありてより誕生の百二十日の御祝い過ぐるまで忌むべしと見ゆ。スウェーデンの俗信ずらく、木に楔を打ち込んで半ば裂けた中に楔を留めた処や兎の頭を見た妊婦は必ず欠唇の子を生むと、一体スウェーデン人はよほど妊婦の心得に注意したと見えて妊婦が鋸台の下を歩けば生まるる子の喉が鋸を挽くように鳴り続け、斑紋ある鳥卵を食えば子の膚くて羽を抜き去った鶏の膚のごとし、豚を触れば子が豚様に呻き火事や創ある馬を見れば子に痣あり、人屍の臭いを嗅げば子の息臭く墓場を行くうち棺腐れ壊れて足を土に踏み入るれば生まるる子癲癇持となるなど雑多の先兆を列ねある(一八七〇年版ロイド『瑞典小農生活』