Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
鮓答また薬として近古まで高価だったは、タヴェルニエーの『印度紀行』巻二で判る。また畜類の糞は古来種々に用達てられた。十九世紀に最早くラッサに入りて高名したウクの説に、蒙古人好く畜の糞を類別して適宜応用を誤らず、羊糞を焼かば高熱を生ずる故冶金に用い、牛糞の火は熱急ならぬ故肉を炙るに使うと、前述驢様の長耳を持ったフリギア王ミダスは貪慾で自分の糞を金に変えたと伝えられ、ローマ帝ヴェスパシャヌスは公事に鉅万を費やすを惜しまなんだが、内帑を殖やすに熱心してその馬の糞を売り、太子チッスの諫めに逢って馬糞売って得た金は悪しく臭うか嗅いで見よと言った。かく畜の糞から高値な鮓答を得もすれば、糞それ自身が随分金と替えられ得たから、それを大層に訛称して金を糞に出す驢牛等の譚も出来たのだ。アストレイの『西蔵記』に、大喇嘛の糞尿を信徒に世話しやりて多く利を得る喇嘛僧の事を載す、蒙古人その糞の粉を小袋に入れ頸に掛け、その尿を食物に滴して用うれば万病を除くと信じ、天主僧ジャービョン西韃靼に使した時、大喇嘛の使者かようの粉一袋を清帝に献ぜんと申し出て拒まれた由。これらは無上に高値な糞であろう。