Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 290.735 Zeichen · 566 Bildschirme
しかる内近村に久しく行商を営み、諸方の俗伝に精しき老人この件に関して秘説を持つと聞いて少しも躇わず。人の命は雨の晴れ間を待つものかと走り行きて尋ぬると、老人新羅三郎が笙曲を授くるような顔して、ニッとも笑わず語り出でしは、旧伝に絶えてなきを饅頭と名づく、これかえって太く凶ならず、わずかにあるをカワラケと呼び、極めて不吉とす、馬に河原毛ありそれから移した称だと。当時は特に留意せなんだが、ほどなく老人死した後考うるに、駱和名川原毛黒い髦の白馬だというから、不毛に当らず。川原は砂礫多く草少なき故、老人の説通りわずかに春草ある処を馬の川原毛から名を移して称うるのかと思えど、死人に質し得ず。
『逸著聞集』など多くは土器と書いたが、その義も解らず。ようやく頃日『皇大神宮参詣順路図会』を繙くと、二見浦の東神前の東北海中に七島あり阿波良岐島という、また毛无島とてまるで巌で草木なき島あり、合せて八島相聯なる、『内宮年中行事記』に、六月十五日贄海神事の時舟子の唄う歌の中に「阿波良岐や、島は七島と申せども、毛无かてては八島なりけり」と載す。『続々群書類従』一に収めた、『内宮氏経日次記』