Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme
九巻二章。プリニウスの『博物志』九巻一一五章)。ところが日本では家猪が久しく中絶と来たから、専ら野猪のみ蛇を制するよう心得たのだ。『集古』庚申五号に、故羽柴古番氏が越後国南蒲原郡下保内村で十歳になる少女に聞いた歌を出した。「まだらむしや、わがゆくさきへ、ゐたならば、山たち姫に、知らせ申さん」右、家を出る時鴫居をまたがぬ前に三遍唱うれば蛇に逢わぬ。もし蛇に食い付かれたる時は、ボトロ(蕨の茎葉)にて傷口を撫でながら右の歌を唱うれば、蛇毒消散して害をなさずと。まだら虫とは蛇の事、山だち姫とは、ボトロの事なりというとある。大正六年二月の『太陽』に予この事について少しく述べたが、その後識り得る事どもを併せ述べよう。『嬉遊笑覧』に『萩原随筆』に蛇の怖るる歌とて「あくまたち、我たつ道に横たへば、山なし姫にありと伝へん」というを載せたり。こは北沢村の北見伊右衛門が伝えの歌なるべし。その歌は「この路に錦斑の虫あらば、山立ち姫に告げて取らせん」。『四神地名録』多摩郡喜多見村条下に「この村に蛇除け伊右衛門とて、毒蛇に食われし時に呪いをする百姓あり、この辺土人のいえるには、蛇多き草中に入るには伊右衛門伊右衛門と唱えて入らば毒蛇に食われずという、守りも出す。