Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme
この蠍、頭の端尖から尾の先まで四五―五七ミリメートルで、金網の裏面より落ち著く砂上まで四〇―五〇ミリメートル。されば自分の身長よりも短い間でかく宙返りをやらかすは、奇絶だとだけ述べ置く。むつかしい研究故詳しくは言えない。
『淵鑑類函』四三六に、『孔帳』に曰く扶南人喜んで猪を闘わすとある。『甲子夜話』一七に家豕の闘戦を記して、畜中の沈勇なるものというべきかと評す。『想山著聞奇集』五に、野猪熾り出す時は牝一疋に牡三、四十疋も付き纏うて噛み合い、互いに血を流し朱になっても平気で群れ歩く。この時は色情に目暮れて人をも一向恐れず、甚だ不敵になり居ると載す。『中阿含経』一六にいわく、大猪、五百猪の王となって嶮難道を行く、道中で虎に逢い考えたは、虎と闘わば必ず殺さるべし。もし畏れ走らば諸の猪が我を侮らん。何とかこの難を脱したいと念うて虎に語る。汝我と闘わんと欲せば共に闘うべし。しからずんば我に道を借して過ぎしめよと。虎曰く共に闘うべし、汝に道を借さずと。猪また語るらく、虎汝暫く待て、我れ我が祖父伝来の鎧を著け来って戦うべしという。虎心中に、猪は我敵にあらず、祖父の鎧を著たって何ほどの事かあらんと惟い、勝手にしろというと、猪還って便所に至り身を糞中に転がし、眼まで塗り付け、虎に向って汝闘わんとならば闘うべし。