Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme
)。それから娼家には殊に槌屋の家号多く、例せば宝永七年板『御入部伽羅女』四に、大阪新町太夫の品評が、槌屋理兵衛方に及んで「したるい目付き掃部さま、これが槌屋の大黒なり」と、この娼を家の大黒柱に比べおる。四壁庵の『忘れ残り』上巻に、吉原江戸町三丁目佐野槌屋の抱え遊女黛、美貌無双孝心篤く、父母の年忌に廓中そのほか出入りの者まで行平鍋を一つずつ施したり、「わがかづく多くの鍋を施して、万治この方にる者ぞなき」とほめある。これらよりもずっと著われたは安永二年菅専助作『傾城恋飛脚』で全国に知れ渡り、「忠兵衛は上方者で二分残し」とよまれた亀屋の亭主をしくじらせた北の新地槌屋の抱え梅川じゃ。
槌は只今藁を打ったり土を砕いたり専ら農工の具で、大高源吾が吉良邸の門を破ったり、弁慶が七つ道具に備えたりくらいは芝居で見及ぶが、専用の武器とは見えず。
だが昔大分地方の鼠の岩屋等の強賊、皇命に従わざりしを景行天皇ツバキの槌を猛卒に持たせ誅殺した事あり(『書紀』七)、この木は今も犬殺しも用い身に極めて痛く当る。『史記』には槌を以て朱亥が晋鄙を殺し、劉長が審食其を殺した事あり。