Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Lesen Sie 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) von 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.906 Zeichen · 495 Bildschirme
て半巻を無にした所へ氏が帰った。また氏がちょっと立つごとに跡へ坐って烟管を口にし、氏帰れば至って慎んで返却したは極めて可笑しかったとある。またいわくすこぶる信ずべき人から聞いたは、猴曳きが寺の鐘を聴いて如法に身を浄めに行くとて、平生教えある狗頭猴に煮掛けた肉の世話を委ね置くと、初めは火を弄びながら番したれど、鶏肉熟せるを見て少しずつ盗み食いついに平らげてしまい、今更骨と汁のほかに一物なきを知って狼狽の末呻吟する、たまたま、鳶が多く空に舞うを見て自分の尻赤く鶏肉に擬うに気付き、身を灰塵中に転ばして白くし、越後獅子様に逆立ちこれを久しゅうせるを鳶が望んで灰塚の頂に生肉二塊ありと誤認し、二、三羽下り撃つところを取って羽生えたまま煮え沸く鍋に押し込むを、向いの楼の上で喫烟しながら始終見届けた人ありと。『嬉遊笑覧』に『犬筑波集』猿の尻木枯ししらぬ紅葉かな、『尤の草紙』赤き物猴の尻、『犬子集』昔々時雨や染めし猿の尻、また丹前能日高川の故事を物語るところになんぼう畏ろしき物語にて候、猿が尻は真赤なと語りぬとあり。これら皆幼稚の者の昔々を語る趣なり。猿は赤いといわんためまた猿と蟹の古話もあればなり、赤いとはまづかくと言うの訛りたるなり。